なんだか居場所がある気がしてしまう

 

 無職なので日記を書く暇がある。暇すぎる。お金もないので消費活動ができない。

 無職というのは本当につらい。世界が労働で構成されすぎていて、そこにアクセスすらできない(面接や抽選に落ちまくる)ことが惨めで仕方がない。早く脱却したい。

 

 

 チャットレディのバイトを友達が紹介してくれた。キャバクラからメンズエステまで、対面で性を売りにする接客をしてきたわたしには、チャットレディのハードルなんて低すぎるぐらいだ。

 しかし詳細を聞いてみると、顔つきの身分証明書がいるらしい。免許証、マイナンバーカード、パスポート、学生証、どれも持っていない。障害者手帳しかない。働かせてくださいと言うのに障害者手帳を出すのは忍びない。社会不適合がすぎる。

 パスポートを取ろうとしていたが、別の友達が「原付の運転免許証なら即日で発行されるし、試験対策も数日で済む。あとパスポートより数千円安い」と言うので、原付免許の学科試験の対策をすることにした。

 あとついでに、これを機にマイナンバーカードを取得しようと思った。監視社会へのささやかな抵抗があっけなく終わった。

 

 

 今日はラーメン屋の面接に行った。今月末の支払いを目前にしたわたしは日払いのバイトをするしかない。単発派遣バイトにも複数応募したが、見事にすべて外れた。

 店長から少し遅刻するという連絡が来たので、向かいにあるモスバーガーでカフェオレを飲みつつインターネットをして時間を潰した。本当は喫茶店に行きたかったのだが、あいにく最寄りの喫茶店は閉まっていたのだ。

 カフェオレを飲むとつい反射で煙草を吸いそうになる。モスバーガーは店内禁煙なのでなんとか耐えた。

 志望動機からパーソナリティまで聞かれるというヘンテコな面接だった。持ち前の明るさで感じのいいフリーターを演じ切ったつもりだ。バイトの応募はだいたい入れる日数を多めに申告したほうが雇われやすいので、「いつでもどの時間帯でも入れます」とアピールしたのだが、それが逆に「こんなにシフトを入れてあげられるかわからない」と言われる始末だった。クソすぎる。

 

 

 昼からは京都に帰った。もう京都には住んでいないのに、京都は「帰る」という表現を使いたくなる。なんだか居場所がある気がしてしまうのだ。

 先日、今住んでいる自治体の区役所に転入届を出しに行こうとしたら、「前の自治体の転出証明書がいる」と言われて門前払いを食らった。その転出証明書を取りに来たのだ。

 ついでにマブ・喫茶こと四条大宮「喫茶マーチ」に寄った。先のモスバーガーをpaypayで支払ったら、ラーメン屋の店長が現金で負担してくれたので、現金を錬成することができたのだった。カスのライフハック

 マブ・喫茶こそがわたしにとっての喫茶店の原点にして頂点である。1時間ほど煙草を吸ってくつろいで、転入手続きのために大阪に戻る。

 

 

 阪急電車の運賃の値上げ(バリアフリー料金加算とか言うやつ)に腹を立てながらも大阪に戻り、区役所に行った。タスクは転入届、障害者手帳の住所変更、マイナンバーカードの再申請。

 計画性がなさすぎて、今朝ちょうどマイナンバーカードの申請をネットで行ったのだが(そもそも封筒を開くまでその仕組みを知らなかったし、知っていたらもっと早くやっていた)、マイナンバーカードの住所は京都になっており、大阪ではそれを受け取ることができないとのことなので、再申請する必要があった。あっちやこっちやとめんどくさすぎる。

 ついでにいつどこに雇われてもいいように住民票の写しも取得した。

 

 その足で障害者手帳の更新にも行った。すると、自立支援の更新もしなければならないと言われた。盲点だった。障害者手帳は持ってきていたが、自立支援手帳の存在は完全に忘れていた。

 障害福祉課の担当者たちは、他の課の担当者に比べてやさしい気がする。態度も口調も説明も、何事も丁寧にしてくれる。日々障害者を相手にするのだから、そりゃあそうなるよなという感じだ。知的水準の低い障害者から、感情を制御できない障害者までを相手にするのだ。大変な仕事だと思う。

 自立支援手帳を持ち合わせていなかったので、そちらの更新は後日また区役所に来庁して行うことになった。

 

 転入・転出・住民票の写し取得・障害者手帳の更新・マイナンバーカードの再申請。一日にこれだけの苦手な役所手続きというタスクをこなしたのだから立派だ。今日は生きている価値があった。

 

 

 家に帰って、やることのなさに驚く。おそらく今年いっぱいは生活の立て直しに集中しなければならないので、大学院どうこうなどと言っている場合ではない。せっかく図書館で大量に借りてきた前衛美術に関する本を読む気にもなれなかった。

 短歌をやろうかと思ったのだが、なぜか最近は短歌を作っていると必ず途中で寝落ちしてしまうというバグに陥っている。確か月末に角川短歌賞があるのだけど、おそらく間に合わない。

 短歌で思い出したのだが、特大愛アンチ界隈の一人がバカデカい愛の縮小アカウント(@kiss_a_tongue)をフォローしていて、スクショでそのツイートを晒しながら一言物申す的なことを一時期やっていたのだけど、@kiss_a_tongueの「角川短歌賞に出そうかな」という趣旨のツイートを晒して「まさか応募するのか?」みたいな一言を添えていた。それは別にいいだろ。そいつには関係のないことすぎて、もはや何に怒っているのかが不明で滑稽だった。おもしろすぎる。

 

 

 久々にこの時間に暇なので、数ヶ月ぶりにギターを取り出して、いろいろ弾き語りして遊んだ。ハヌマーンチャットモンチーフラワーカンパニーズ、Vaundy、米津玄師、その他ボーカロイド

 最近は特に、すでにプレイリストに入っている音楽ばかりを聴くようになって、新しい音楽との出会いを避けている。すでに知っているものがくれる安心に依存している。こうやって人間は価値観をアップデートできなくなるのだろう。わたしも老いていくのだなあ。

 

 コンビニに行って、先日JTのアンケートに答えた報酬でもらった煙草を受け取りに行った。たった5秒のアンケートに答えるだけで、600円のピース・スーパー・ライトをもらえるありがたすぎる国。本当にありがとう。

 相変わらずピースは香りがいい。箱を開けて匂いをかぐと紅茶のような香りがする。それをベランダで吸う。やはり普段吸っているウィンストン・キャスターよりも吸い心地が重い。丁寧にやさしく吸わなければならない。しかしそれもまた幸せである。

 

 

 なんだかんだ充実した一日だった。お金がないことを除けば。お金がないというだけでこんなにも気分が塞ぎ込むのか。食欲すらもうまく湧かない。おにぎり3つだけで今日は満足した。まあお金も使わずに済むし、最近太ってきていたのでちょうどよいだろう。

 生活リズムも完全に昼型になったので、早めに寝ることにする。いつどんな仕事が見つかってもいいように。