デカ愛さんはいつ北海道に来るんですか?

 

 北海道に行ってきた!

 京都で大学生をしていた頃の友人が、北海道の某企業に就職したので、会いにいくことにした。と言っても、彼はいま諸事情で全国を流浪しており、年明けに神戸で会っていた。そこで「デカ愛さんはいつ北海道に来るんですか?」と圧をかけられたので、その場で飛行機を予約したのだった。

 

 関空から新千歳に行くよりも、神戸から新千歳に行くほうがやや安く、また関空よりも神戸空港のほうがまだアクセスがいいので、神戸から飛行機に乗った。

 その前に、神戸三宮で喫茶店に寄った。

 センタープラザという神戸三宮駅すぐの商業施設の地下は喫茶店が複数軒あり、そのうちのひとつ「TEA ROOM 潮」という喫茶店だ。

 なぜ喫茶店に寄ったかというと、もちろん新規開拓をしたかったというのもあるが、わたしはとにかく遅刻癖がひどく、数年前に東京に飛行機で行こうとした際に、関空でのチェックインに3分間に合わず、泣く泣く新大阪まで戻って新幹線で行くというお金も時間も無駄にした最悪の回があったので、喫茶店に行く時間を設けてそのぶん早く家を出れば、余裕で飛行機に間に合うだろうという算段だった。

 おかげさまでチェックインにも間に合い、保安検査も無事に通り(ライターを2つ持ってきてしまったので片方はおさらばとなったが)、飛行機に乗った。

 

 数年ぶりの飛行機で、機内ではスマホを使えないことを忘れていた(アホ)ので、ツイッターも見れず音楽も聴けず、また通路側の席を取ってしまったため窓の外の風景を見ることもできず、しかも非常口席だったためリクライニングもできず、直角の椅子でただ寝るしかなかった。帰りの飛行機は非常口席も通路側の席も取らないぞと決めた。

 

 

 新千歳空港に着くと、雪がこんもりと積もっていた。北海道だ!と思った。

 上記の友人とは空港で待ち合わせをしていて、彼は中部から来るらしいので(流浪の民やからね)、喫煙所でたばこを吸ったり、これからツアーに行くっぽいジジババ集団を横目に見たり、卒業旅行と思しき若者集団を羨んだりしながら、彼を待った。

 30分ほどすると彼が到着し、札幌駅行きの電車はおそらく混んでいるであろうということでバスの切符を買い、列に並ぶと目の前で定員オーバーで打ち切られ、20分ほど待ってやっとすすきの行きのバスに乗った。

 バスの車窓から見える景色は真っ白で、大阪では見たことがないぐらいの高さまで雪が積もっていた。それでもこの日は全国的に暖かく、札幌市内も氷点下にならない予報で、まだ積もっていないほうだと友人が言っていた。

 道路標識で案内される地名がかなり難読で、北海道に来たことの実感が沸いた。

 北海道の道路沿いの店は、本州では見たことがないローカルチェーンが多かった。友人曰く、北海道は全国チェーンが出店しづらい土壌らしく(需要が読みづらい・失敗しても撤退しづらいなど)、独自のチェーン店が展開しているそうだ。

 

 

 1時間半ほどバスに揺られて、札幌市街地へ到着した。とにかく尿意がすごかった。少し話は逸れるが、ここのところ喉の渇きと多飲と頻尿がすごい。おそらくエビリファイを増量したからだと踏んでいるが、「エビリファイ 喉の渇き」で調べると、糖尿病性ケトアシドーシスとかそういうのばかりが出てきて、かなり怖くなっている。しかも症状がめちゃくちゃ当てはまる。次の通院で相談しようと思う。それまでに何かが起きたら、まあそれまでということで……。

 友人は厳密には札幌市内在住ではないが、すすきの周辺にもよく足を運ぶそうで、彼がよく通っているというジャズバーに行った。もちろんまずはじめにお手洗いを借りた。

 

 Bossaというジャズ喫茶・バーで、店内は薄暗いがとても広かった。立派な音響機材がたくさん並んでいた。最近、ブラックのコーヒーを飲めるようになったので、ブレンドを注文した。490円。コーヒーチケットは5枚綴りで2000円で、彼がごちそうしてくれた。

 

 彼と他愛もない会話を交わしていると、なんかすごい音がして、そちらを見ると席を立ったおばちゃんが段差に気づかず転んだようで、しかもそのおばちゃんがわたしたちの座っていた席に激突した。コーヒーでスカートやスマホがべしょべしょになったが、おばちゃんは無事だったようでひとまず安心した。

 マスターが拭いてくれて、新しいコーヒーを用意しますと言ってくれた。さあ落ち着いたと席に座ってコーヒーを飲もうとしたら、次はわたしがそのカップを倒してしまってまたべしょべしょになるという情けない事態になった。彼は「え?!え?!」と笑っていた。新しいコーヒーを持ってきてくれたマスターは、拭いたはずのところがまた汚れていたので不思議そうな顔をしていた。本当にすみません。

 

 19:30からフォロワーの女の子と会う約束をしていて、中途半端に時間が余ってしまったので、ミスタードーナツすすきのショップでドーナツを食べた。

 観光客が写真を撮ることでお馴染みのブラックニッカの看板の向かいのマクド前で待ち合わせをしていたので、そこまで彼に送ってもらって、フォロワーの女の子と合流した。

 

 

 フォロワーの女の子は、ジンギスカン食べ放題の店を予約してくれていた。数年前、当時の彼氏との年末年始旅行で北海道には一度足を運んだことがあるのだが、それがあまりにも年末年始すぎてどこの店も空いておらず、ホテル前のダイニングバーみたいなところでささやかにジンギスカンを食べたことはあった。久しぶりにジンギスカン鍋を見て、やっぱり変な形だなと思った。

 ジンギスカンの写真を撮り忘れた。インスタグラムのストーリーの変なフィルターがかかった写真しか手元にないので、ここでは割愛する。

 

 女の子は「本当に来てくれるとは思いませんでした」と言っていた。いや行くよ。「北海道に行くので、会えるフォロワーを募集します🎶」とか言っておきながら行かないのはキモすぎる。

 東京から就職で北海道に来たらしく、東京に帰りたいと何度も言っていた。さすが東京から来ただけあって、標準語がとても綺麗だった。わたしは標準語を話そうとしても、どこか関西式アクセントが抜けない変な標準語になってしまうから、かっこいいと思った。

 わたしはこの日あまり体調がよくなくて、せっかく食べ放題のお店を予約してくれていたのに、1人前を食べ切るのがやっとで大変申し訳なかったのだが、彼女はモリモリ食べてくれたので助かった。いっぱい食べる女の子って素敵。

 

 

 2時間ぐらいお酒を飲みながら話して、解散することになった。味の濃いものを食べてお酒も飲んで、とにかく煙草が吸いたかったので、喫煙所を探したのだが、札幌はすごいことにコンビニ前の灰皿という文化が根強く残っており、すぐそこにオアシスがあった。コンビニ前にめちゃくちゃスーツの人がいて、近所で大人数の飲み会でもあったのかと思ったら、全員が喫煙中だった。ありがとう!

 友人と再度合流するために電話をかけると、どうやらホテルにチェックインしてそのまま寝てしまったらしく、わたしがフォロワーの女の子と食事に行っている間に行こうと思っていたラーメン屋にも行けていなかったそうなので、彼はラーメンを食べてから、わたしはホテルにチェックインして荷物を置いてから合流することにした。

 

 

 あと、これはあまり北海道と関係はないが、バスタイプのバニラカー。大阪・京都では基本的にトラックのタイプしか見かけないので(少なくともわたしは見たことがない)、記念に撮っておいた。

 

 

 もちろん宿は喫煙可能のところを探した。禁煙部屋を売りにしている宿が多く、なかなか探すのに手こずった。和室で喫煙できるって素晴らしい。しかも大浴場があるらしい。すすきの中心部からはやや歩くが、それでも大正解の宿だった。

 荷物を置いて一服したので、友人との待ち合わせ場所に行く。

 

 彼はまた素敵なジャズバーを教えてくれた。写真を撮り忘れた。もちろん喫煙可能。彼もたくましい愛煙家なので、彼がおすすめしてくれる店はだいたい喫煙可能だ。ただ二人とも異様に眠く、わりとすぐに帰ろうという流れになったので、数十分ほどの滞在になった。

 帰り道、すすきの周辺にコンビニが多すぎることに気づいた。ローソン・ファミマ・セイコーマートのどれかが必ず視界のどこかに入る。北海道は人口あたりのコンビニ数が全国1位らしい。これはおそらくセイコーマートがご当地チェーンとしてがんばっているからだろう。

 なんだか無性に眠くて、雪道を15分歩く元気すらもなかったので、奮発してタクシーに乗った。大阪よりも初乗り運賃がやや高かった。加算運賃は北海道のほうが少し安いらしい。

 宿について、化粧を落としてすぐに寝た。朝起きたら大浴場に行く!

 

 

 大浴場は大浴場というほどの大きさではなかったが、チェックアウト時刻から逆算してかなりギリギリの時間に行ったおかげか貸切で、ひさびさに気持ちよく湯船に浸かった。しかしギリギリまで浸かりすぎたので、すっぴんのまま慌ててチェックアウトすることになった。

 商業施設にパウダールームが設けられているところがあったので、デカい鏡で優雅に化粧をして、彼とガストで合流するも、まだ眠いとのことで、とりあえず朝ごはんを食べてからまた解散した。今思えば、ガストで朝食を取らずにどこかの喫茶店に入ってモーニングを食べればよかった。

 

 

 北海道出身のフォロワーがおすすめしてくれた「高級茶房 ひので」に来た。

 昼前は混んでいるという噂を聞いていたので一か八かで入ってみると、ギリギリ入れた。次の次の客からは満席で追い返されていて、かなり危なかった。サラリーマンからジジババまでいろいろな人たちがいて、全国の喫茶店はどこもこんな感じなんだなあと安心した。

 ブレンドコーヒーは530円とやや高めだった。というか大阪が安すぎるだけだと思う。大阪の喫茶店に慣れていると、他県の喫茶店の価格帯に驚かされる。

 

 喫茶店を出て、おみやげ探しに向かう。同居人から「めんみ(道内限定販売のめんつゆ)」と「ジンギスカンキャラメル」のおつかいを頼まれていた。

 札幌中心部は大きめのスーパーが少ないことに気づいた。ご当地スーパーの「スーパーアークス」に行きたかったのだけれど、どの店舗も微妙に遠いので、「まいばすけっと」で妥協した。「まいばすけっと」も首都圏と道内にしかないっぽいのでまあ及第点。

 「めんみ」と「ホンコンやきそば」を買った。ジンギスカンキャラメルはなかった。

 

 

 彼は病院に用事があるらしく、合流できるのはまだ先ということで、先に「マーク・コーヒー・クラブ」という喫茶店に行って、彼を待つことにした。

 

 綺麗めなオフィスビル?の中に純喫茶が突然現れるという変な立地だった。ミルクコーヒーは600円。隣の席に地雷系の女の子が座っていて、札幌にもおるんやなあと思っていたが、デカいキャリーケースをすぐそこに置いていたのと、連れていた女の子たちとの会話が耳に入ってきた感じだと、どうやら首都圏から来ているようだった。札幌には地雷系っておらんのかなあ。

 1時間半ぐらい待ったが、どうやら彼の病院は待ちの人数が多すぎてまだかかるようだったので、札幌ラーメンを食べに行くことにした。

 

 

 あまり遠くまで歩きたい気分ではなかったので、地下で繋がっている商業施設のラーメン屋「みそラーメン よし乃」に行った。本店は旭川にある道内チェーン店らしい。

 いちばんシンプルなラーメンにはバターもコーンも乗っていなかったが、せっかく札幌に来たのだしということで乗せた。1150円。札幌味噌ラーメンにはデフォルトでバターとコーンが乗っているものだと思っていたのだが、べつにそういうわけでもなく、バターはまだ脂でスープを冷まさないようにするみたいな理由はあるらしいが、コーンなんかは完全に北海道でよく取れるからぐらいの理由しかないようで、観光客感丸出しの注文になった。いやまあ観光客だけど。

 ちぢれ麺とピリ辛味噌スープの相性がとてもよくておいしかった。貧乏性というか完璧主義というか、食べ物を残すのが苦手なので、スープに沈んだコーンはなるべくすべて回収したかったのだが、長い闘いの末に根気で負けた。さようなら……。

 

 

 ラーメンの後は煙草やということで、先述とは別のフォロワーが教えてくれた喫茶店に向かう。札幌駅を通り抜けようとしたところにお土産屋があったので寄ってみると、ジンギスカンキャラメルがあった。あとバイト先・実家用にマルセイレーズンバターサンドを買った。なんとなく白い恋人も買った。あまりにも北海道初心者スターターキットの買い物すぎる。

 

 

 札幌駅北口からすぐのところの「軽食・喫茶 ルフラン」。コーヒー430円。ここで病院終わりの友人を待つことにした。

 すぐ後に古着ファッション風の男女二人組が入ってきて、斜めうしろの席に座ったのだが、男のほうがめちゃくちゃフラッシュを焚きながら写真を撮りはじめて、しかもそのカメラの使い方を女に説明して「すご〜い」と言わせていて(これはマニュアルモードだから自分でピントを合わせないといけなくて〜みたいなことを言っていた)(そんな基本のキみたいなところでドヤ顔をするな)、これって全国共通の風景なんや、と思った。

 彼とようやく合流したが、わたしの飛行機は19:45に新千歳発で、神戸空港とちがって新千歳空港は大きいため、搭乗手続きや保安検査などが長蛇の列になっている可能性があったので、1時間前に着くように行ったほうがいいという助言をもらって、わりとすぐに出た。

 

 

 そんなこんなで友人とはまたしばらくの別れで、わたしは新千歳空港行きの電車に乗った。

 わたしのいちばん大好きなバンド・Galileo Galileiは北海道出身で、電車に揺られながら彼らの音楽を聴いた。途中の停車駅でメンバーのひとりの出身市を通って、こっそり嬉しかった。

 Galileo Galileiは北海道の中でも最北端の稚内市出身なので、いつか稚内にも行ってみたい。

 

 空港には無事早めについたので、機内で食べる空弁を買いに行った。空弁はコスパは悪いが、空の上でごはんを食べるという体験にお金を払うので許容できる。いくらとサーモンの寿司を買って、喫煙所で煙草を吸って、飛行機に乗った。

 行きの飛行機でスマホのデータ通信は使えないことを学習したので、聴きたい曲を事前にダウンロードしておいた。これでわたしも飛行機マスター!尿意はなんとか我慢できた。

 

 

 神戸空港に着いて三宮に行くと、わたしのマブの女が待っていてくれた。旅の終わりに待っていてくれる友達がいる人生って素晴らしすぎる。適当に路上で乾杯して(わたしは体調がすぐれなかったのでオレンジジュースにした)、終電までベラベラおしゃべりをした。

 梅田行きの特急に乗って、彼女は途中の駅で降りて、わたしはそのまま自宅へ向かった。

 

 ちょくちょく書いていたように、旅の2日間は体調があまりよくなかったので、家に帰って熱を測ると微熱があった。これじゃあはしゃぎすぎて知恵熱を出した子供じゃないか、と思いながら就寝。朝起きると38度まで熱が上がっていたので、夕方ごろに病院に行ったらインフルエンザB型だった。最悪のお土産やね。

 何はともあれとても充実した2日間だった。体調さえよければもっと楽しかったのにな!これはきっとリベンジしろという天のお告げだろう。今回は会えなかったフォロワーもいたので、また来ようと思う。

 他にも行きたい都道府県がたくさんある。またお金に余裕ができたら旅をしよう。おすすめの場所があったら教えてください。おまえの街まで会いに行っちゃいます🎶