芋臭サブカルインキャブス女が1年半働いたキャバクラを辞めた話

 

 

 かねてから書こうと思っていた、1年半働いたキャバクラの話にいい加減蹴りをつけようと思います。

 

 タイトルの通り、わたしはサブカルインキャブス女(謙遜ではなく事実)です。そろそろやめてから1年ということで、キャバクラで働き始めたのは2年半前ですから、今よりもさらに芋臭サブカルインキャブス女でした。

 キャバクラといえば、キラキラギャルみたいなお姉さんが、ブランドものを見せつけるように身に着けて、テンションが高くて……みたいなイメージがありました。世間のみなさまもきっと近からず遠からずではないでしょうか。

 

 そんな世界に、芋臭サブカルインキャブス女がなぜ水商売の世界に飛び込もうと思ったか。

 

 ・美術の制作があるので短時間で稼ぎたい

 ・鬱の時期に入ると居酒屋などの飲食業に身体が追いつかない

 ・↑のバイトで女性店員と男性店員でおじさん客の態度が変わることにムカついていた

 

 主にこれが3つでした。

 特に3つ目は大きかったです。個人経営の居酒屋で、酔っぱらったおじさん客に抱き着かれたり、逆に若い女だからということでいちいち見下されたり、そういうストレスがあったので、「どうせ女として働くなら女の仕事をしよう」というバネになりました。

 フェミニストの顔をする気はありませんが、もしわたしがバキバキに屈強でイカつい男性だったらこんな扱いは受けなかったんだろうなということがたくさんありました。

 あとは、躁鬱の躁期にいて、謎の万能感と勢いがあったことも加味されていたと思います。

 

 

 インキャでも働けそうな夜職バイトの求人をさがして、メイドキャバクラなるものがこの世にあることを知り、そこに応募しました。京都の大学生が働くメイドキャバクラなんて一つしかないので、簡単に特定できますが、もう在籍していないので怖いこともありません。なんでも書き放題です。

 あと、たくさん恨みがあるのでできれば潰れてほしいし、あの店に万が一入ってあそこにお金を落としてしまう被害者男性がこれ以上増えてほしくないので、警告の意味で明らかにしておきます。

 名誉棄損で訴えられたとしても、あの店の法的にアウトな部分をこちらもいろいろ握っているので、最低限は太刀打ちできると思っています。お金の力で向こうに都合のいい弁護士をつけられたら終わるかもしれませんが……。

 でも、できればチクリなどは入れないでいただきたいと思います。嘘は一切書きませんが、面倒ごとにはなりたくないので、あなたの良心を信じます。

 

 

 とりあえず面接にいきました。当時のわたしはツーブロック+ショートボブ+オレンジ髪+センター分け+丸眼鏡というサブカル女重装備だったので、黒髪ふわふわパーマのウィッグをかぶってカラコンをつけて、メイドさんでもおかしくないぎりぎり清楚系っぽいワンピースを着ていきました。

 ひどい店ほどキャストがすぐやめるので、あの店は常に人員不足で、面接に落ちることはありませんでした。1年半いたので、いろんな女の子が入っては辞めていったのを見ていると、誰も落ちていないと思います。

 絶対に男慣れしてない雰囲気がマシマシで、わたし以上に芋臭い女の子が入るのをたくさん見てきました。そういう子は1か月もしないうちに辞めていきました。新しく入ってきた子がどれぐらい続くかということを見極めるという、いらない能力がつきました。

 

 

 そこでお給料などの説明を受けるのですが、保証は3でした。

 キャバクラは保証というシステムでお給料を出しているところがほとんどで、保証が3ということは、「お店の都合(早締めなど)で2時間で退勤することになっても、3時間分のお給料は保証します」という意味です。そういう説明を受けました。

 ここで騙されてはいけないのですが、2時間でも3時間分は保証されているということは、7時間働いても3時間分しか出ないということを意味します。

 

 キャバクラの「高時給」のタネはここにあります。

 たとえばわたしは時給約2000円(変動制)ほどいただいており、保証は約6000円でした。だいたい9時~0時半で働いていたので、30分はサービス残業です。

 30分ならまあいいんですが、GWや年末年始の繁忙期になると、普段は1時に閉店するところが(これも厳密には法的にアウトです)、朝5時まで営業していたりして、9時~5時となると8時間になりますが、それでも保証は6000円です。8で割ると750円。当時の京都の最低賃金は882円ですから、効率がかなり悪いことがわかります。

 

 「高時給とは言っても、働いているすべての時間に時給が発生しているわけではない」

 ということです。入ってしばらくしてから気づきました。誰も教えてくれません。ということで、あなたがこれからキャバクラで働こうとしているのだとしたら、こういうからくりがあるので気をつけてください。

 

 そして、その店の最悪なところは、面接で保証は3だと言っていたところが、気づいたときには2.5になっていたところです。出勤時間を出勤日数で割ると時給が計算されますが、2.5にしかなりません。他の女の子も似たようなことを言っていました。

 わたしはあまり額面を気にせず働いていたので(もらえればもらえるほどいいですが)、はじめからそうだったのかもしれないし、経営難で無断で下げられたのかもしれないし、もう今となってはどうでもいいんですが、この時点でろくでもない店だということがわかります。

 

 

 ほかにもろくでもないポイントがたくさんありました。思い出すのも面倒くさいし不快なので、覚えている範囲で軽く書きます。

 

 まずは店長が元キャストの女性で、それは全然かまわないのですが、個人的に苦手なタイプの女性でした。機嫌が悪くなるとまわりに当たるタイプです。「おはようございます」と店に入っても、一瞥もくれずに小さい声で「おはよう」と返す人でした。小学生のほうが上手に挨拶できるぞと毎回思いました。出勤のたびに初っ端から気分が悪かったです。

 そして彼女もわたしのことが苦手だったと思います。辞める直前なんかは明らかに態度が悪かったので。

 

 例えば、上記のように繁忙期には1時閉店ではなくなりますが、その日に店を閉める時間を最終的に決めるのは店長で、事前に知らされることもなく、何時に退勤できるのかもわからず、時給の出ていない時間に待機しつづけなければなりません。

 それを「翌日の予定が組みづらくて困ってるんですが、先輩はどうしてますか?」と後輩に相談されたので、あとから店長に「後輩から相談を受けたのですが、閉店時刻を事前に教えてもらったほうがみんな働きやすいと思います」と持ち掛けると、露骨に不機嫌になりました。

 翌日もなんとなくわたしにピリピリしていて、あまりにも居心地が悪かったので、「気に障っていたらすみません」と謝りにいったら、「そんな風に上司に立てついてたら将来出世できへんわ」とまさかの返しがきました。労働環境の改善(しかも当たり前のこと)を訴えかけると、「上司に立てついた」と言われるような店でした。

 

 なんか他にもいろいろ地雷を踏んだことがあって、あまり詳しくは覚えていないのですが、わたしは至ってまともなことを言っているつもりだったのですが、店長と社長に事務所で謝るはめになることがしばしばありました。

 先日のADHDの記事にも書きましたが、あまりにそういうことが続くので「お前はなんでそんなこともわからんのや?頭の病気なんか?」と社長に詰められたときに、わたしは何も悪くないのになあと思いながら、「発達障害ですけど……」と返して、なんか気まずくなったことがありました。今となってはおもしろい思い出です。

 

 

 また、辞めようと思ったきっかけもこのろくでもないポイントにありました。

 シフトをほぼ半強制的に入れられる店で、週3希望で入店していたのですが、だんだん週5で入れられるようになり(人員不足ゆえに)、休んでいい日を向こうから指定され、「学校がある」と言って断ってもこちらが折れるまで話をやめずに不機嫌になるので、無理矢理働かされるという状況が続いていました。もちろん当日欠勤は罰金があるので、働かざるを得ません。

 そんな感じで、シフトを半強制的に入れられるので、昨年の年末年始は12/23~1/4の連勤がつづき(1/1のみ休業)、大学の冬休みが確か12/23~1/5だったので、実質冬休みが1日しかなく、何もできなかったことを悔やみました。

 一方で、社長に気に入られている女の子は自由に休むことができて、フリーターでいつでも休める子が、年末年始に長期休みをとって実家に帰省していたり、整形をしてダウンタイムの長期休みをもらっていたりと、あまりに不平等でムカついたので、1月中に辞めようと決心しました。

 

 年が明けてすぐに、1月末で辞めたいことを社長に伝えると、「最低でも1か月前に言うのが礼儀やぞ」と言われたので、結局2月いっぱいまで働くことになりました。

 なかなか辞めさせてもらえないということはいろいろな子の話を聞いてわかっていたので、「精神的に不調なので、休学して実家に帰ります」という嘘をしっかり用意しました。

 「親にバレたら働けないので、実家に帰るタイミングで辞めます」と伝えると、「嘘ついて出てこい」と言われて驚きました。結局、「2月いっぱいは週1で親に嘘をついて終電(23時頃)まで働く」というところで決着がつきました。実家に帰るのは嘘ですし、何なら実際のところ実家には帰りたくもありませんが、こうでもしないと辞めさせてもらえないので、仕方のない嘘でした。

 また、飛んだら飛んだで親に電話して訴える(?)と脅されていて、実家の連絡先を契約書に書いたか書かなかったかは思い出せなかったのですが、万が一書いていたとしたらめんどくさいので、飛ぶこともできませんでした。

 

 

 一度だけ、前月のお給料を早めにもらって飛ぼうとしたことがあって、お給料をもらうように打診したのですが、それを平日の遅めの時間に設定してもらうと「なんでそんな時間なんや?違うところで働いてるんか?」と謎の問い詰められをしました。

 友達と飲みに行った帰りに寄るつもりだったので、特に深い意味はなかったです。また、次のお店はもうすでに決まっていたのですが、辞めたあとのことに干渉される意味もわかりませんでした。

 「この給料渡して飛んだらお前の次の店潰すからな。それなりの弁護士を雇ってる」とまたしても脅され、飛ぶことはできず、無理矢理入れられたシフトをきちんと最後までこなして辞めました。えらいね……。

 そして2月中は実家から通っていることになっているので、23時までには退勤させてもらえるはずだったのですが、当然のようにそれまで通り0時半まで働かされました。退去していないから問題はなかったものの、嘘の通りに今の家を引き払っていたとしたら宿無しです。それでも知ったこっちゃないという店でした。

 

 

 女の子も、ボーイさんもガールさんも、わたしについていてくれたお客様も、みんないい人ばっかりだったんですが、上の二人が嫌いで耐えられないという理由で辞めることになったのは心残りです。店の悪口はこれぐらいにしておこうと思います。

 あとは働いていて思ったことなどを書きつらねてゆきます。

 

 

 ①「楽しておこづかい稼ぎできていいよね」

 

 これはお客様に本当によく言われました。楽だと決めるのは一度やってみてからにしてほしいですよね。

 キャバクラは、高いお金をお支払いいただく代わりに疑似友情や疑似恋愛を提供するお仕事ですから、自分についているお客様の数だけ「親密な"ふり"の人間関係」が増えます。とにかくLINEを返さなければいけません。ガチ恋のお客様なら、ラブラブなLINEを心がける必要があります。少ない頻度でそっけなく返すと、「営業LINEみたいで悲しい(泣)」と言われるからです(言われました)。

 

 ガチ恋にもいろいろなタイプのお客様がいて、毎日「おはよう」「大好き♡」を送ってくる人、ツイッターみたいに出勤退勤ごはん就寝の報告を立て続けに送ってくる人、長文を送ってくる人。朝起きるとLINEの通知がすごいので、朝が来るたびに憂鬱でした。

 常に誰かからLINEが送られてくるということは、常に仕事が増え続けるということです。プライベートでどれだけ楽しく過ごしていても、LINEが来ると仕事を思い出して萎えます。完全なプライベートがあってないようなものです。

 社会に出て働くというのはそういうことなのかもしれませんが(誰しもが会社から電話がかかってきたら出ないといけないし)、それって全然楽なことじゃないじゃないですか。全然楽じゃないんですよ。

 

 また、キャバクラはバックという歩合制でお給料が決まるので、とにかくシャンパンを下ろしていただかないといけません。下ろしていただいたシャンパンの額の何割かがお店に、残りは自分のお給料に入ります。

 飲んで空ければ次のものを下ろしてもらえますが、750mlの13~15度のお酒をガバガバ流し込むのはよっぽど鉄の胃と肝臓でなければ不可能です。吐きながら働いていました。これも全然楽じゃないんですよ。

 

 あと、わたし個人としてはおこづかい稼ぎではなく、転科留年した学費を稼ぐためなので、「水商売の女はブランド品や整形費のために働いている」という定説を信仰して止まないステレオタイプおじさんに出くわすと毎回悲しかったです。

 とはいえ酔っぱらったおじさんは不幸話を求めていないので、アホな女のふりをして乗り切りました。

 

 これを読んでいるあなたは、いつか夜のお店に行く機会がきたときに、どうか女の子にそんなことを言わないであげてください。その子のことはその子にしかわかりません。

 なんでおじさんって水商売は若い女の特権だと思っているんでしょうね。ボーイズバーとかホストとか売り専とか、男の水商売だってあるのに、見えていないのか見えないふりをしているのかはわかりませんが、狭い視野で裁いてこられると不快です。

 

 

 ②ある程度のブランドものは必要投資

 

 水商売の女性はブランドものを身に着けているイメージがあると思います。そしてそれは事実です。

 とはいえ、それがどこまでが自身の意思かと言われると境界線はあいまいです。

 

 キャバクラには同伴というシステムがあります。端的に説明すると、出勤前にデートをするシステムです。食事だったり、買い物だったり、カラオケだったり、映画だったり、人によってはホテルだったり、いろいろあります。

 やはりデートにはデートらしい服装で行かなければ、相手に失礼です。みすぼらしい格好でいくわけにはいきません。また、デートするお店の雰囲気についても考慮しなければなりません。

 そして、アフターというシステムもあります。退勤後にデートをするシステムです。同伴は事前に約束しますが、アフターはその場のノリだったりもします。もちろんアフター前提で来られるお客様もいます。

 

 つまり、出勤する日には、出勤前も出勤後も、きれいな女性としての気品を保っていなければなりません。

 そうなると、ある程度は上品な装備が必要になります。隣に歩いている女がダサかったら嫌じゃないですか。鞄、お洋服、財布、靴、化粧品。社会人としてのステータス的な意味で、ブランドものが必要になります。

 ファッションは歴史的に、貴族のステータスを誇示する意味を持っています。美しい服を着ていなければ貴族ではないし、貴族でいるためには美しい服を着ていなければなりません。

 水商売の女性たちがブランドものを身に着けるのは、もちろんかわいいブランドものが好きという嗜好もあるとは思いますが、必ずしもそれだけではないんじゃないかなと思います。

 

 わたしはブランドものを見るのが好きですが、自分が着るのは古着がいいです。 5万円のワンピース1枚よりも、5000円のバンTが10枚欲しい女です。

 それでも、せっかくお金を払ってデートを用意してくださるお客様には、おもてなしのような意をこめて、失礼のないように、出勤するときには必ず、買っていただいた服や、どこに行っても恥ずかしくない服を買って着ていました。

 

 

 ③若い女を下に見て満足するおっさんが多い

 

 これはキャバクラに限らず、社会的にそういう風潮があることを感じます。これを女性蔑視だと言って声をあげるつもりはありませんが……。そういう構造の上に成り立っている商売で生活して、恩恵を受けているので、これがなくなると困ります。

 とはいえ、気持ちのいいものでないことも確かです。

 

 話がおもんないおっさんほど、しきりに自慢話や武勇伝語りをしたがります。なんとなくサンドバッグのような気分になります。

 大した話じゃなくても、「すごい」「かっこいい」「がんばってるんですね」と言わなければなりません。自分の心を押し殺して、相手の言われそうなことを汲みとって、全肯定マシーンになります。

 相手を全肯定するためには、自分は相手よりも下の存在でいる必要があります。上手に出ると、求めている非対称性が一気に崩れてしまうので、お客様のお話の途中に口を挟むのはタブーです。

 

 そのためには、とにかくアホな女を演じる精神力が不可欠です。それこそ、"おこづかい稼ぎのために楽して働く若い女"のマインドを、持っていなくとも提供できれば、自分が楽しませることのできるお客様の層が広がります。

 

 

 一方で、アホな女が嫌いな男の人もいます。そういうときのためには、教養を持ち合わせている必要があります。時事問題や人生観を語って盛り上がることのできる女の子を気に入るお客様もいます。

 わたしについてくださっていたお客様にはそういう人が多く、わたしは自分の本質はどちらかというとそちらにあるので、自分のお客様と話すときには楽しんで接客することができました。ありがたいことですね。

 

 初対面では何でも受け入れるアホな女のふりをして、相手の表情をうかがいつつ、そのままアホな女を続けて気持ち良くさせたほうがいいのか、ちゃんとその人自身に向き合って本質的な話をするほうが楽しんでもらえるのか、短い時間(15~20分)で判断して、気に入ってもらうために頭を切り替えるお仕事です。

 

 

 ④自分が変わった

 

 わたしはキャバクラをはじめて、外見と内面ともに、とても変わりました。

 

 キャバクラをはじめた当初のわかりやすい写真がないのでお見せできないのは残念ですが、ここ数年の付き合いのある友人にはきっと伝わるのではないでしょうか。

 芋臭いサブカルインキャブス女もだいぶマシになりました。自分に似合うメイクや髪型を研究して、古着以外にもちょっと高いけれどかわいい服も着るようになりファッションの幅が広がって、2年半前よりも随分かわいくなったなと我ながら思います。

 元の素材がアレなので、世の中にはもっと大変にかわいい女の子もいますから、絶対的なところではさしてかわいくはないですが、自分の中で相対的にかなり垢ぬけました。

 垢ぬけて困ることはないですからね。かわいければかわいいほど人生の選択肢は増えます。

 

 内面も、自分の中ではかなり変わりました。まず、いろいろなお客様との出会いで、知らない世界をたくさん知りました。

 それは、同伴やアフターや持ち込みでおいしいごはんをいただいて舌が肥えたとか、そういう単純な話だけではなく、いい意味でも悪い意味でも、世の中にはこんな人がおるんやなという、人の経験を通した経験をたくさん得て、視野が広がったと思います。

 また、いろいろなことに興味をもって、自身の人間性の幅を広げるほど、自分もお客様も楽しい時間を過ごせるということがわかり、知的好奇心がどんどん増していきます。今はとりあえずたくさん本を読んで映画を見てアニメを見たいという気持ちに駆られています。教養がほしいです。

 

 

 

 わたしは、人と人のつながりが商品になる水商売が好きです。あの底辺キャバクラは1年半で辞めましたが、今は他のお店にいますし、きっと大学を卒業するまでは続けると思います。

 労働時間の割にお給料がいいとか、気に入ってかわいがってもらえると嬉しいとか、お金をもらってさらにお酒まで飲めるのはコスパがいいとか、そういう側面も少なからずありますが、わたしは水商売を通して、いろいろな人に出会って、いろいろな話をして、自分の知らない世界を見ることがとても楽しいです。

 

 あのとき、勇気を出して底辺キャバクラの面接に、清楚系のふりをして行ってよかったなと心から思います(今はキャバクラを辞めたので清楚系のふりはしていません)。

 お店そのものは最悪でしたが、得られるものはお給料以上にたくさんありました。

 

 理不尽な労働環境だったり、サンドバッグになったり、ゲボを吐きながらお酒を飲んだり、きついことも偏見もたくさんありますが、わたしは人生の経験のひとつに水商売をおすすめします。

 もし、今この文章を読んでいるあなたが、水商売に足を踏み入れるか入れないかと悩んでいるのだとしたら、ぜひ相談に乗ります。聞きたいことがあればどうぞ、たった2年半の経験ではありますが、ここに書いていないことも、話せる限りのすべてを話します。

 

 

 みなさまの中の"水商売で働いている女の子"のイメージが、少しでも変わっていればいいなと思います。